PDFメタデータの確認・編集・削除を完全マスター — プライバシー保護と業務効率化【2026年版】
<p>PDFを外部に送信する前に、メタデータを確認していますか?PDFには目に見えない「メタデータ」(作成者名・会社名・編集日時・使用ソフトウェア・コメント履歴など)が自動的に埋め込まれており、これが意図せず外部に漏洩するリスクがあります。実際、世界各地で弁護士事務所や企業が提出した法的文書のPDFメタデータから内部情報が判明した事例が複数報告されており、メタデータ管理はもはや「知っていると便利」ではなく「必須の知識」になっています。</p><p>PDFメタデータとは、ファイル名や本文とは別にPDFファイル内部に記録されている属性情報です。Document Information Dictionary(文書情報辞書)とXMP(Extensible Metadata Platform)の2種類があり、合わせて最大16種類の標準フィールドが定義されています。タイトル・作成者・作成日・更新日・使用アプリケーション名・キーワードなどの情報が記録されており、意図しない漏洩が問題となります。</p><p>本ガイドでは、PDFメタデータの基本から、無料ツールを使った確認・編集・削除の具体的手順、プライバシー保護のベストプラクティス、ビジネスでの活用方法まで体系的に解説します。機密文書を扱う法務・会計・医療・HR部門の方はもちろん、日常的にPDFを活用するすべてのビジネスパーソンに役立つ内容です。PDFのセキュリティ全般については<a href='/ja/blog/pdf-encryption-security-kanzen-guide'>PDF暗号化・セキュリティ完全ガイド</a>も合わせてご参照ください。</p>
PDFメタデータとは何か?種類と基本知識
<p>PDFメタデータとは、文書のコンテンツ(本文・画像・図表)とは別に、PDF内部に記録された「文書についての情報」です。図書館の蔵書票のようなもので、誰が、いつ、何のソフトウェアで作成したかなど、文書の属性情報が記録されています。</p><p><strong>【PDFメタデータの2つの種類】</strong></p><p><em>1. Document Information Dictionary(文書情報辞書)</em><br>PDFの初期バージョンから存在する基本的なメタデータ形式で、最大8つの標準フィールドを持ちます:<br>・<strong>Title(タイトル)</strong>:文書のタイトル(ウィンドウのタイトルバーに表示される)<br>・<strong>Author(作成者)</strong>:文書を作成した人名<br>・<strong>Subject(サブジェクト)</strong>:文書の主題・内容説明<br>・<strong>Keywords(キーワード)</strong>:検索用のキーワード(カンマ区切り)<br>・<strong>Creator(作成アプリ)</strong>:元ファイルを作成したアプリケーション名(例:Microsoft Word 2021)<br>・<strong>Producer(変換アプリ)</strong>:PDFを生成したアプリケーション名(例:Adobe PDF Library)<br>・<strong>CreationDate(作成日時)</strong>:PDFが最初に作成された日時(タイムゾーン情報を含む)<br>・<strong>ModDate(更新日時)</strong>:最後に保存・変更した日時</p><p><em>2. XMP(Extensible Metadata Platform)メタデータ</em><br>Adobeが開発しISO標準(ISO 16684)となったXMLベースのメタデータ形式で、PDF 1.4(2001年)から採用されました。Document Information Dictionaryの8フィールドに加え、著作権情報・DCterms・職務・部署・会社名など拡張フィールドを含むことができます。Adobe製品で作成したPDFには特にXMPメタデータが詳細に埋め込まれます。</p><p><strong>【自動的に記録される意外なメタデータ】</strong><br>多くのユーザーが気づいていないメタデータには以下が含まれます:<br>・ファイルを最後に保存した際のコンピュータのユーザー名<br>・ドキュメントが印刷された場合の印刷日時<br>・レビュー・コメント(削除したはずのコメントが残る場合がある)<br>・作成に使用したテンプレートの情報<br>・変換ソフトウェアのバージョン(例:「Adobe Acrobat DC 2023.003」)<br>・ドキュメントIDとインスタンスID(バージョン管理用の内部識別子)</p><p><strong>【メタデータが問題になる実際のケース】</strong><br>2024年の情報セキュリティ調査では、企業が取引先に送信するPDFの約34%が会社名・担当者名・使用ソフトウェア情報などのメタデータを削除せずに送信していることが判明しています。具体的なリスクシナリオ:<br>・法的文書の作成者名から担当弁護士・事務所が特定される<br>・入札書類のメタデータから作成者と過去の修正履歴が判明する<br>・会社の人事評価PDFの作成者名から人事担当者が特定される<br>・フリーランサーが納品したPDFに前クライアントの会社名が残っている<br>・プレスリリースのメタデータから内部担当者の実名が漏洩する</p><p>これらの問題を防ぐためには、PDF送信前のメタデータ確認を習慣化することが重要です。</p>
PDFのメタデータを確認する方法(無料ツール別手順)
<p>PDFのメタデータを確認する方法は複数あります。追加費用なしで利用できる方法を優先して解説します。</p><p><strong>方法1:Adobe Acrobat Reader(無料版)で確認</strong><br>Adobe Acrobat Readerは最もアクセスしやすいPDFビューアで、基本的なメタデータの確認が無料でできます。ただし編集機能はPro版が必要です。</p><p><strong>方法2:ブラウザのPDFビューアで確認</strong><br>Chrome・Edge・FirefoxなどのブラウザビルトインのPDFビューアでは、基本的なメタデータをプロパティパネルで確認できます。ただし全フィールドは表示されない場合があります。</p><p><strong>方法3:pdfinfo(コマンドライン・無料)で確認</strong><br>Poppler libraryに含まれるpdfinfoコマンドは最も詳細なメタデータを確認できる無料ツールです。Windows・macOS・Linuxで利用可能です。コマンド:<code>pdfinfo filename.pdf</code></p><p><strong>方法4:LazyPDFや類似のオンラインツールを活用</strong><br>PDFをオンラインで処理する前に、メタデータを事前に確認しておくことで意図しない情報漏洩を防げます。送受信するPDFのセキュリティチェックリストについては<a href='/ja/blog/pdf-anzen-okuru-checklist-metadata'>PDF送信前の安全チェックリスト</a>も参照してください。</p>
- 1Adobe Acrobat ReaderでPDFメタデータを確認するAdobe Acrobat ReaderでPDFを開き、メニューから「ファイル→プロパティ」を選択(またはCtrl+Dを押す)。「説明」タブにTitle・Author・Subject・Keywords・Created・Modified・Application・PDF Producerが表示される。「カスタムプロパティ」タブでXMPの追加フィールドも確認できる。表示された情報を確認し、外部送信前に削除が必要な情報をメモする
- 2コマンドラインツールで全メタデータを詳細確認するWindows:Chocolateyで「choco install poppler」後にpdfinfo実行。macOS:「brew install poppler」後に「pdfinfo ファイル名.pdf」を実行。Linuxは「sudo apt install poppler-utils」後に同様に実行。出力には標準8フィールドに加え、PageCount・PageSize・Encryptedなどの技術情報も含まれる。XMPデータを含む全フィールドは「pdfinfo -meta ファイル名.pdf」で確認できる
PDFメタデータを編集・更新する正しい方法
<p>PDFメタデータを編集したい場面は主に2つあります。①不正確なメタデータを正しい情報に更新する場合(例:作成者名の修正・タイトルの追加)、②文書管理を効率化するために意図的なメタデータを追加する場合です。</p><p><strong>Adobe Acrobat Pro(有料)でのメタデータ編集</strong><br>Adobe Acrobat ProはPDFメタデータの編集に最も完全な機能を提供します。「ファイル→プロパティ→説明」タブでTitle・Author・Subject・Keywordsを直接編集できます。XMPメタデータの詳細編集は「ツール→レドキュメント処理→メタデータ処理」から行えます。</p><p><strong>LibreOffice Draw(無料)でのメタデータ編集</strong><br>LibreOffice DrawでPDFを開き、「ファイル→プロパティ」でTitle・Subject・Author・Keywords・Commentsを編集後、「ファイル→PDFとして書き出し」で再エクスポートできます。完全に無料で使える実用的な方法です。</p><p><strong>GhostscriptでのPDFメタデータ更新(コマンドライン)</strong><br>Ghostscriptは無料のコマンドラインツールで、スクリプトを使ったバッチメタデータ更新に最適です。PDFInfoファイルを使った更新方法が最も柔軟性が高く、100件以上のPDFを一括処理する際に活用できます。</p><p><strong>Pythonのpypdf / pikepdf ライブラリ(エンジニア向け)</strong><br>pypdfとpikepdfはPythonでPDFメタデータを操作できるオープンソースライブラリです。pypdfの場合:<code>reader.metadata</code>でメタデータを読み取り、<code>writer.add_metadata({})</code>で更新できます。大量のPDFファイルの自動メタデータ管理システムを構築する際に最適です。</p><p><strong>メタデータ編集時の注意点</strong><br>・メタデータを編集すると「ModDate(更新日時)」が自動更新される<br>・XMPとDocument Information Dictionaryの両方を一致させる必要がある(一方だけ更新すると不整合が生じる)<br>・デジタル署名済みPDFのメタデータを変更すると署名が無効になる<br>・PDF/A形式のファイルはメタデータ変更後に再度PDF/A規格への準拠確認が必要</p>
- 1LibreOfficeを使って無料でPDFメタデータを編集するLibreOffice DrawでPDFを開く(右クリック→「LibreOffice Draw で開く」)。メニュー「ファイル→プロパティ」を選択し、「説明」タブでタイトル・主題・作成者・キーワードを編集する。「コメント」タブで追加のメモを入力できる。編集後「ファイル→PDFとして書き出し」を選択し、「全般」タブで「作成者をOSのユーザー名に設定しない」にチェックを入れてから書き出す
- 2Pythonスクリプトで複数PDFのメタデータを一括更新するpip install pypdfでライブラリをインストール。スクリプト例:from pypdf import PdfReader, PdfWriter / reader = PdfReader('input.pdf') / writer = PdfWriter() / writer.clone_reader_document_root(reader) / writer.add_metadata({'/Title': '新タイトル', '/Author': '山田太郎', '/Subject': '内部機密', '/Keywords': 'PDF, 管理, 2026'}) / with open('output.pdf', 'wb') as f: writer.write(f)。これをループ処理にすることで100件以上のPDFを一括更新できる
プライバシー保護のためのPDFメタデータ削除方法
<p>外部送信する前にPDFのメタデータを削除(クリーニング)することは、現代のビジネスにおける基本的なプライバシー対策です。特に法律・会計・医療・採用・M&Aなど機密性の高い業務では必須の手順です。</p><p><strong>なぜメタデータ削除が必要か</strong><br>PDFを外部に送信すると、受信者は専用ツールでメタデータをすべて読み取ることができます。この情報から、文書の作成担当者の実名・役職、使用している内部システムの名称、ドキュメントがいつ最初に作成されOrいつ修正されたか(交渉履歴の推測に使われることがある)、組織内部の命名規則やフォルダ構造(Creatorツールのフルパスにユーザーフォルダ名やプロジェクトフォルダ名が含まれる場合がある)などが判明する可能性があります。</p><p><strong>削除すべきメタデータの優先順位</strong><br>①高リスク:Author(作成者実名)・Creator(内部アプリ・パス情報)・Producer(ソフトウェアバージョン)・カスタムプロパティ(部署名・プロジェクトコードなど)<br>②中リスク:CreationDate・ModDate(修正日時から作業タイミングが推測される)<br>③低リスク(通常は削除不要):Title・Subject・Keywords(意図的に設定した公開情報であれば問題なし)</p><p><strong>Adobe Acrobat Proのサニタイズ機能</strong><br>Adobe Acrobat Proには「文書のサニタイズ」機能があり、平均して8種類のメタデータフィールドを一括削除できます。「ツール→保護→非表示情報の削除」から実行できます。この機能はメタデータだけでなく、隠しレイヤー・注釈・削除済みコンテンツなども同時にクリーニングします。</p><p><strong>Exiftool(無料・最も強力)でのメタデータ一括削除</strong><br>Exiftoolはあらゆるファイル形式のメタデータを操作できる最強の無料コマンドラインツールです。PDFのメタデータを完全削除するコマンド:<code>exiftool -all:all= ファイル名.pdf</code>。特定フィールドのみ削除:<code>exiftool -Author= -Creator= -Producer= ファイル名.pdf</code>。ディレクトリ全体の一括処理:<code>exiftool -all:all= *.pdf</code>。</p><p><strong>Ghostscriptでのメタデータ削除</strong><br>Ghostscriptを使ったメタデータ削除は完全なPDF再構築を行うため、最も徹底した方法のひとつです:<code>gs -dBATCH -dNOPAUSE -sDEVICE=pdfwrite -sOutputFile=output.pdf input.pdf</code>。この方法ではメタデータがほぼリセットされますが、ファイル構造も変更されるためデジタル署名は無効になります。</p>
- 1Exiftoolで特定フィールドを削除してプライバシーを保護する公式サイト(exiftool.org)からExiftoolをダウンロードしてインストールする。コマンドプロンプト/ターミナルで「exiftool -Author= -Creator= -Producer= -ModifyDate= 送信ファイル.pdf」を実行する。処理後に「exiftool 送信ファイル.pdf」で削除を確認する。元ファイルは「送信ファイル.pdf_original」として自動バックアップされる。確認後は「-overwrite_original」オプションを追加してバックアップなしで処理できる
- 2PDF送信前の3分メタデータチェックルーティンを確立する送信前チェックリストを作成:①Adobe Acrobat ReaderでCtrl+Dを押してプロパティを確認する②AuthorとCreatorフィールドに実名・社内パス・バージョン情報が含まれていないか確認する③含まれていた場合はExiftoolまたはLibreOfficeで削除・編集する④再度Ctrl+Dで確認後に送信する。このルーティンを徹底することで情報漏洩リスクを大幅に軽減できる。機密文書に関するセキュリティ全般は<a href='/ja/blog/pdf-encryption-security-kanzen-guide'>PDF暗号化・セキュリティ完全ガイド</a>を参照
XMPメタデータとDocument Information Dictionaryの違いを理解する
<p>PDFのメタデータには歴史的に2つの格納場所があり、その関係を理解することがメタデータ管理の精度を上げる鍵です。</p><p><strong>Document Information Dictionary(DID)の特徴</strong><br>PDFの最初期(PDF 1.0、1993年)から存在する基本的なメタデータストレージで、PDFファイルのバイナリ構造内に直接記録されます。最大8フィールドのみサポートし、テキスト値のみ格納可能です。古いPDFビューア・ツールで広くサポートされていますが、機能が限られています。</p><p><strong>XMP(Extensible Metadata Platform)の特徴</strong><br>AdobeがPDF 1.4(2001年)に導入し、ISO 16684として標準化されたXMLベースのメタデータ形式です。PDFファイル内にXMLドキュメントとして埋め込まれます。DIDの基本8フィールドに加え、Dublin Core(dc:)、IPTC、著作権(xmpRights:)、Acrobat固有(pdf:)、XMP基本(xmp:)など多数のスキーマをサポートします。また、カスタムスキーマを定義して独自のメタデータフィールドを追加することも可能です。</p><p><strong>2つのメタデータが不一致になるケース</strong><br>多くのPDF編集ツールはDIDとXMPを連動させますが、ツールによってはどちらか一方しか更新しないことがあります。その結果、Adobe Acrobat ReaderではAuthorが「山田太郎」と表示されるのに、コマンドラインツールのpdfinfo -metaでXMPを確認すると「Yamada Taro」と異なる情報が表示される、という不整合が生じることがあります。</p><p><strong>確実な削除のために両方を処理する方法</strong><br>メタデータを完全に削除・更新するには、DIDとXMPの両方を処理する必要があります。Adobe Acrobat Proの「文書のサニタイズ」機能は両方を同時に処理します。Exiftoolはデフォルトで両方のソースからメタデータを読み取り・削除します。pikepdfライブラリは<code>pdf.docinfo</code>(DID)と<code>pdf.open_metadata()</code>(XMP)を別々に操作できます。</p><p><strong>XMPを活用した高度なメタデータ管理</strong><br>XMPを活用することで通常のDocument Information Dictionaryでは実現できない高度なメタデータ管理が可能です。著作権情報の記録(cc:license フィールド)、複数言語のタイトル・説明の記録(xml:langによる多言語対応)、文書のバージョン管理情報(xmpMM:VersionID・xmpMM:History)、職務・部署・会社ブランドの構造化情報などを埋め込めます。出版社・報道機関・法務部門では、IPTC規格と組み合わせたXMPメタデータで文書の完全な来歴管理を実施しています。</p>
ビジネスでのPDFメタデータ管理のベストプラクティス
<p>PDFメタデータを組織全体で一貫して管理することで、文書の検索性・追跡性・セキュリティが大幅に向上します。ここでは実践的なビジネスユースケースと管理手順を解説します。</p><p><strong>【文書管理システムとメタデータの連携】</strong><br>SharePoint・Google Drive・DocuWareなどの文書管理システムはPDFのメタデータを自動的に読み取ってインデックス化します。Titleフィールドに正確なタイトルを設定することで全文検索の精度が向上し、Keywordsフィールドに部署コード・案件番号・分類タグを設定することで高精度なフィルタリングが可能になります。</p><p><strong>【社内メタデータ標準の策定】</strong><br>組織全体で統一されたメタデータ規則を定めることで文書管理の品質が向上します。推奨する標準フィールド設定:<br>・Title:案件名または文書種類(例:「2026年Q1営業報告書」)<br>・Author:担当者名(姓名フルネーム)<br>・Subject:部署コード+カテゴリ(例:「営業部-報告書」)<br>・Keywords:案件番号+年度+機密レベル(例:「PJ-2026-034, 2026, 社外秘」)<br>・Creator:文書作成ツール(自動設定でOK)</p><p><strong>【機密レベルに応じたメタデータ処理】</strong><br>送信先・文書の機密度に応じたメタデータ処理を定めることが重要です:<br>①一般公開文書:全メタデータを適切に設定して公開<br>②社外秘文書:Author・Creatorを削除または匿名化してから送信<br>③極秘文書:すべてのメタデータを完全削除+パスワード保護+送信を記録<br>この3段階のルールを全社展開することで一貫したリスク管理が実現します。</p><p><strong>【電子帳簿保存法対応でのメタデータ活用】</strong><br>電子帳簿保存法(2025年完全施行)では、電子保存する請求書・領収書に「取引年月日・取引先・金額」が検索できる状態での保管が義務付けられています。PDFのKeywordsフィールドに「2026-05-15,株式会社〇〇,150000円」のように構造化した情報を埋め込むことで、システム要件を補完する追加の検索性を確保できます。ただしこれはあくまで補完措置であり、対応する文書管理システムの検索機能が主要手段となります。</p>
- 1社内PDFテンプレートにデフォルトメタデータを設定するMicrosoft Wordのテンプレートファイル(.dotx)で「ファイル→情報→プロパティ」からタイトル・件名・会社・キーワードを設定する。このテンプレートからPDFを書き出すと、設定したメタデータが自動引き継ぎされる。LibreOfficeの場合は「ファイル→テンプレート→テンプレートを管理」でプロパティ付きテンプレートを登録できる。月次報告書・見積書・契約書などの定型文書は共通テンプレートにメタデータ標準を仕込んでおくと品質が安定する
- 2外部送信用PDFの最終チェックと承認フローを確立する重要PDFの外部送信前チェックフロー:①作成担当者がExiftoolで「exiftool -json ファイル名.pdf」を実行してJSON形式でメタデータを出力する②出力データを確認して社外秘情報(個人名・社内パス・バージョン情報)を特定する③特定した情報を削除して再保存する④管理者がpdfinfo -metaで再確認してからメール添付または共有リンクを発行する。このフローをチェックリストにしてPDF送信手順書に組み込む
大量PDFのメタデータを一括処理・自動化する方法
<p>数百・数千件のPDFのメタデータを手動で処理するのは現実的ではありません。自動化ツールとスクリプトを活用して効率的に一括処理する方法を解説します。</p><p><strong>Exiftoolによるバッチ処理(最も手軽)</strong><br>Exiftoolは単一コマンドでディレクトリ内のすべてのPDFを処理できます。フォルダ内全PDFのAuthorを削除:<code>exiftool -Author= -r /フォルダパス/</code>(-rで再帰的にサブフォルダも処理)。全PDFのメタデータをCSVに出力:<code>exiftool -csv -Author -Title -CreateDate *.pdf > metadata.csv</code>。これで数百件のPDFのメタデータ一覧が5秒以内に取得できます。</p><p><strong>Pythonとpikepdfによるカスタム自動化</strong><br>よりきめ細かい制御が必要な場合はPythonスクリプトが最適です。pikepdfを使えばPDFの品質を保持したままメタデータを精密に操作できます。処理例:フォルダ内の全PDFを走査→作成者名が「社内ユーザー」パターンに一致するものを特定→一致した場合はAuthorフィールドを「LazyPDF Solutions」に更新→処理ログをCSVに記録。このようなパイプラインを構築することで、毎週の文書発送前の自動メタデータクリーニングが実現します。</p><p><strong>Adobe Acrobat Action Wizard(Pro)での自動処理</strong><br>Adobe Acrobat ProのAction Wizard機能を使えば、GUIベースで自動化シーケンスを作成できます。「メタデータの削除」アクションを作成して監視フォルダに適用することで、PDFを指定フォルダに置くだけで自動的にメタデータが削除・標準化されます。IT部門なしで自動化を実現したい中小企業に特に有効です。</p><p><strong>文書管理システム(DMS)とのAPI連携</strong><br>SharePoint・M-Files・DocuWareなどの企業向け文書管理システムは、PDFのアップロード時にメタデータを自動読み取りしてインデックス化する機能を持っています。PDFのメタデータを正しく設定することで、手動でのタグ付け作業を最小化しながら検索性を最大化できます。</p><p><strong>注意点:メタデータ処理後は必ず品質確認を実施</strong><br>一括処理後は必ずサンプルファイルで結果を確認してください。確認ポイント:①意図したフィールドが削除されているか②PDF本文・画像・フォントが正しく保持されているか③ページ数・レイアウトが変わっていないか④デジタル署名が必要なファイルは処理対象から外れているか。自動化は効率的ですが、1件ミスが全件に広がるリスクがあるため、初回は必ずテスト実行(5〜10件)から始めてください。</p><p>PDFファイルのサイズ管理やアップロード制限への対応については<a href='/ja/blog/pdf-5mb-ika-upload-you'>PDF 5MB以下に圧縮してアップロードする方法</a>も参考にしてください。</p>
よくある質問
PDFメタデータとは具体的に何ですか?
PDFメタデータとは、文書の本文・画像とは別にPDFファイル内部に記録された属性情報です。作成者名・タイトル・会社名・作成日時・更新日時・使用ソフトウェア名などが含まれます。Document Information Dictionary(8フィールド)とXMP(XMLベース・拡張フィールド対応)の2種類の格納形式があります。
メタデータを削除するとPDFのコンテンツや品質に影響はありますか?
適切なツールを使えばメタデータの削除はPDF本文・画像・フォント・レイアウトに一切影響を与えません。ただし、Ghostscriptでの再構築処理はファイル構造自体を変更するため、デジタル署名が無効になる可能性があります。署名済みPDFはメタデータ削除の前に署名の有効性を確認してください。
PDFのメタデータを無料で削除できるツールはありますか?
はい、複数の無料ツールがあります。Exiftool(コマンドライン・最も強力)、LibreOffice Draw(GUIで編集後PDFとして書き出し)、Ghostscript(コマンドライン・完全再構築)が主な選択肢です。Exiftoolは「exiftool -all:all= ファイル名.pdf」の1コマンドで全メタデータを削除できます。
PDFを送付する前に必ずメタデータを確認すべきですか?
外部(取引先・官公庁・裁判所)へ送付するPDFは必ず確認を推奨します。特に法的文書・入札書類・HR文書・M&A関連書類は、作成者情報や編集履歴が情報漏洩につながるリスクが高いです。社内回覧のみで使用するPDFは確認の優先度が低いですが、確認習慣を持つことを推奨します。
PDFのメタデータを一括で処理する方法はありますか?
Exiftoolを使えばコマンド1行でフォルダ内のすべてのPDFを一括処理できます。「exiftool -Author= -Creator= -r /フォルダパス/」で再帰的にサブフォルダも含む全PDFのAuthorとCreatorを削除します。Pythonのpikepdfライブラリを使えばより複雑な条件での自動化スクリプトも構築可能です。
メタデータとパスワード保護は別物ですか?どちらが重要ですか?
メタデータとパスワード保護は独立した別の機能です。パスワード保護は文書の内容へのアクセスを制限し、メタデータ管理は文書の属性情報の漏洩を防ぎます。両方が重要で、機密PDFにはパスワード保護とメタデータクリーニングを組み合わせて使用するのが最も安全です。詳細は<a href='/ja/blog/pdf-encryption-security-kanzen-guide'>PDF暗号化・セキュリティ完全ガイド</a>を参照してください。
XMPメタデータとDocument Informationが不一致になるとどんな問題が起きますか?
ツールによって異なるメタデータが表示されるため、文書管理システムでの検索精度が低下します。また、法的文書では作成者情報の不整合が文書の真正性に疑義を生じさせる可能性があります。Exiftoolはデフォルトで両方を処理するため、Exiftoolでの一括処理が最も確実な解決方法です。